くぃあなかりんの日常。

私を彩る、宝石と傷跡の詰め合わせ。綴る言葉が宝箱となりますよう。

ハムレット物語の記録①

超お久しぶりです。かりんです。週一回とか言って全然守れておりません笑

もーーー、やんなっちゃうなぁ。陶芸の記憶が彼方に消えていく今日この頃。作品ができた時に投稿しようかしら。そんなわけで、本日は別件。

 

 

8月21日、学童保育での依頼公演が無事終了しました。とっても貴重な経験をしたので、記録に残しておきたいなと思います。

 

 

私の所属する劇団では、毎年夏休みに学童での依頼公演を実施しています。

例年他の公演と稽古時期が重なることが多く、既にあるありものの作品(赤ずきんちゃん、オズの魔法使い西遊記など)を行っていたのですが。

 

 

今年の作品はなんとハムレット

小学校低学年相手にハムレット

しかもオリジナル。

知らない人のために説明しておくと、かの有名なシェイクスピアの四代悲劇のひとつです。主人公であるハムレット王子が、父王を殺し母と結婚して王となった叔父を殺そうとするというストーリー。最後には主要人物がほとんど死ぬ、主人公も死ぬ、というなんとも救いようのない展開。(この話の面白さは主軸の悲劇だけではなかったりもするのですが。)

 

 

うっかりこんな作品を子どもの前でやることになったのはなぜかと言いますと。

 

コロナが広がりだして稽古が思うようにできなくなった頃、劇団内で、少人数でzoomを使って作品を作ろうというグループが立ち上がりました。(劇団本体は大人数で年代もやりたいこともバラバラ、やれる作品にも限りがあるので。)そのグループの中で、実際に今年の依頼公演に向けての作品案を作った結果がハムレットだったというわけです。

 

どういう流れでそうなったのか、実際のところは私は知りません。私自身は初期メンバーではなく、作品の題材が決まり台本三稿目の読み合わせをする段階からの参加でした。つまり、私が入った時点でハムレットをやることは決定事項だったのです。「マジかよ」という気持ちもなくはなかったのですが、シェイクスピアをやる機会なんかこの先一生ないかもしれないわけで。やる選択肢しかありませんでした。

 

で、自分が出演したいという気持ちのみで引き受けたは良いのですが、ここからがまーーーー大変だったのです。全てがいちからの手探り。台本、曲、演出、振り付け、小道具、音響照明(操作はもちろん他の人にお願いするのですが)その他色々。と言いながらも私自身は何かの責任を負って取り組んでいたわけではないので、演出担当と比べたら気楽なものではあるのですが。私含め全員が、出演したくて劇団に入った人間です。唯一脚本・演出経験が一度だけある人が1人。仕込みの手伝い等はしているものの、制作側の知識が特別あるというわけでも、経験が豊富というわけでもない。そんな中で、一体誰がどう指揮をとって何から手をつけてどう進めていくのか。全くの手探りでのチャレンジが始まったのです。

 

 

まずは台本から。すでに作品は出来上がっていたものの、時間の制限(45分以内!)があり半分は削らないといけない事態に。というかそもそもハムレットをどうやって45分でお届けするのか。え、無理じゃね…⁇内心思ってたのはきっと私だけではないはず。でもやらねば学童でやる作品として成立させられない。そうなれば、企画そのものが流れる可能性もある。せっかくもらった機会なのだから、それだけは避けたい。私はその時点でハムレット原作をきちんと読んでいなかったので、割と容赦なくカットの提案を出していたのですが、今思うと結構とんでもない切り方をしていたのかもしれないと反省です…。まあ板にあげるにはそうするしかなかったということで。

 

 

何とか45分に収まりそうなサイズになったところで、キャスティングです。ここで一つ大きな大誤算。ダンスの振り付けをお願いできそうだった出演者が、稽古への参加及び出演不可となりました。なんてこった。でも仕方ありません。劇団員から1人追加で参加してもらい、揃ったメンバーの中でキャスティングをしました。ここに関しては演出さんと劇団の主催さんの2人で相談しての決定なので、他のメンバーは関わっていません。みんながやりたい役を主張してはまとまりませんからね。ただ、ここがまたこの先二転三転し大変なことになるのですが…。

 

 

無事配役も決まり、稽古開始‼︎…ですが、この時期からかなり雲行きが怪しくなってきました。稽古日程が皆さん合わない。もともと、依頼公演用に必要最小人数で作っていたため、キャストは全部で7人です。劇団本体には常に20人以上の団員が所属し、それぞれに皆さん生活もあるので、数人の休みは普通のことです。しかし今回の場合、7人のうち3人が休むとそれだけでかなりできるシーンが少なくなります。もっと言うと、単純に士気が落ちます。皆さん仕事や学校、家庭の事情もあり、そしてそれをお互いに重々承知しているだけに何も言えず、とは言え稽古が進まないことへのフラストレーションは確実に溜まっていき(これは私だけなのかもしれませんが)、ただただ時間だけが過ぎていくような状態でした。

 

 

…正直、ここまでかなり私自身も他の人に頼っている部分がありました。というのも、単純な年齢でいうと私はちょうど7人の真ん中です。下は学生でしたが社会人組の中では1番年下。加えて、純粋な実力で言えば7人の中でも下から数えた方が早い。劇団の他のメンバーならまだしも、この中で私ができることは大してないと思っていました。(演出でもないのにどこまで口を出していいのか、という気遅れもありましたが。)せいぜい年下メンバーが意見や提案をしやすい雰囲気を作るくらい。できていたかは分かりませんが、それがこの中で、中間管理職にあたる私の役割かなと思っていました。

 

 

それがこの時期、そうも言っていられなくなった。社会人4人のうち、1番時間に余裕があり稽古に参加しやすいのが私でした。

「このままじゃ座礁する」と、強く思いました。自分が何とかしなくてはと。「自分でなくては」と思ったわけではありません。この違い、伝わるでしょうか。自分がまず動かなくては何も変わらないと思ったのです。

もともと私は、作品作りやイベントごとに対して人一倍やる気があるタイプです。ただ、それが独りよがりになっていないか、他の人はどこまでついてきてどこまで労力を割いてくれるつもりがあるのか、必死で取り組んでいることを馬鹿にされないか、ということに関して人一倍敏感でもあります。そのため全面的にやる気を出すことはあまりありません。それじゃダメだ。そんなこと言って様子を伺ってたら、何も進まないまま、何も得られないままに終わってしまう。どう思われるかより、何を作るかを優先しようと決めました。面白いものを作りたいという気持ちそのままに、ぶつかってみようと。

 

 

 

確かそんな時期だったと思います。学生メンバーが1人、出演できなくなってしまったのは。

 

→②に続く。

oha-k-arin.hatenablog.com

 

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