くぃあなかりんの日常。

私を彩る、宝石と傷跡の詰め合わせ。綴る言葉が宝箱となりますよう。

性別と、色と、カテゴライズと。

昔から、不思議なことがある。

 

 

なぜ性別に、色んな「イメージ」がくっついているのかということ。

 

 

断っておくと、私は世に言う「女らしい」要素は割合持ってる方だと思う。

見る人によるとは思うけど、「男らしい」と思われることはまあない。強いて言うなら中性的?初対面の人には女の子らしいと言われるし、仲良くなるとそれがなくなるらしい。

性別違和を持ったことはないし、生物学的女であることに不満を持ったことも、不便を感じたことも今のところはない。これからは分からないけれど。

だから一体何がきっかけで、なぜそこにこだわり続けているのかは自分でも全く分からない。けれどもこの疑問は小さい頃からずっと私の中に居座り続けている。

 

 

誰かに聞いてみると、答えは大抵

当然だ、普通はそうだから、屁理屈言うな、うるさい、そんなこと聞いてどうするのか、etc…

まともに取り合ってもらえた試しがなかった。

唯一、大学の同じ学科の人たちとだけは、そんな話がとことんできた。いや、内心うんざりされていたかもしれないけれど、同意であれ否定であれ、真っ当なレスポンスが返ってきた。あとは昔からの親友も聞いてくれる。

 

 

だけど、私の大学生活4年間はほとんどその「まともに取り合ってもらえる」中での関係に閉じていたから、「外」に出るとその感覚で話ができる人はあまりいないということを、ついぞ忘れていたのだ。さすがにもう、わざわざ質問したり突っかかったりはしない。しないけれど、相変わらず引っかかったままではある。

 

 

 

職場の先輩が、今、妊娠中である。席が近いので、自然とその先輩と、他の人との会話が聞こえる。ここ数ヶ月で何度も聞いたのが、こんなやり取りである。

 

「男の子?女の子?もう分かったんー?」

「まだ分からないんですよー。」

「そっかー、じゃあ準備大変やね。」

「服も持ち物も黄色ばっかりです。」

「黄色やったらどっちでも大丈夫やもんな。」

 

…聞いたことはあった。あるし、知識としては持っている。

赤ちゃん用品売り場は黄色。男女分かれている売り場では男の子用が水色、女の子用がピンク。

 

 

けれど実際に話を聞いていると、全然腑に落ちてくれなくて、会話に入ることすら嫌になってしまう。心底どうでもいい、ニコニコして聞いていれば良いだけの会話なのに、笑って流せない自分がいる。

 

 

子ども服は、すぐに買い替えるものだ。生まれてもいない子どもの好きな色なんか分かりっこないし、最初に買い揃える服はおそらく、子どもの好きな色が分かるよりも前に買い替えるものだ。だから、服の色には、周りの人に「この子は女(男)ですよ」と周知させる意味合いがあるのかもしれない。それは、性別で色を決めることに対する真っ当な理由に思える。

 

 

けれど、幼い頃から「生物学的性別」をもとに判断する、持ち物を、扱いを、接し方を変えるというそのこと自体が、歪んでいるのではないかと思ってしまうのだ。

 

 

世の様々な研究結果に、男女の差は現れる。能力、思考回路、行動。それに伴う結果(人生の歩み方)。それら全てが、本当に「生物学的性差」によるものなのか、後天的な育てられ方によるものなのか、判別する術はない。環境により大小あれど、生まれる前から少なからず「男(女)」として扱われることが当然の世の中で、「もしその扱いがなければ」と仮定した調査などできるはずもない。そして、何より調査結果を「見る側」もまた、大なり小なりその影響は受けている。数字は客観的データだと言われるが、その切り取り方・分析方法には調査者の主観が入る。それを0にすることもまた、不可能なのだ。

 

 

私は、差を0にすることが良いと思っているわけではない。人間の営みにおける文化的な切り取り方の一つで、他のあらゆることにも関わる、面白さであり、便利さの一つだと思うから。

思うけれど、それはそれとして、現実に生きる人が苦しむのであれば、それは変えていくべきことではないかとも思う。

自我が芽生える前、本人の好みや意志は分からない。分からないからこそ、「とりあえず女(男)として」ではなくて、フラットに一人の人間として扱うことで、自由に、本人の望むように生きられる可能性が少しばかり高くなるのではないか。

 

 

 

…そんなことを言いながらも、トイレの表示は赤が女性用だと認識しているのだ、私は。内在化する性別イメージがあることに変わりはない。カテゴライズとはつくづく、厄介で便利なものだ。道具に使われるのではなく、使えるように。思考を支配されずに、柔軟に生きたいものだ。

 

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