くぃあなかりんの日常。

私を彩る、宝石と傷跡の詰め合わせ。綴る言葉が宝箱となりますよう。

誰かにならなきゃ、が、誰かになりたい、に変わる時

たまには、お芝居メインの話もしようかな。

(カテゴリー作ってるのに全然書いてない。)

そう言いつつ、結局どこに行きつくかは分からないけれど。

 

 

誰しも、それを一番最初に始めたきっかけ、というのがあると思うのですが。

私、芝居がしたくなったきっかけ、全く覚えていないのですよねぇ。どうしてやろうと思ったの?って、よくある質問じゃないですか。特に芝居をやってる、なんて言うと、たいていこれを聞かれる。別にそんな珍しくもすごくもないと思うんだけど、スポーツとかと比べるとやっぱり不思議みたい。

 

 

でも、いつも答えられない。なんでだったかなぁ。

 

 

入学した高校にね、部活がなかったんですよ。演劇部が。だから、今の劇団に入ることになったんだけれど…。なぜ演劇部に入りたかったのか、と聞かれると、ちょっと困る。だからいつもはぐらかす。答えになっていないと自覚しつつ、劇団に入った理由を答えている。

 

 

たぶんね。

ああ、「今考えてみると」だから、当時の自分が本当はどうだったのかは分からないのだけれど。(過去を再構築するとってやつですね。)

 

 

私は、自分じゃない誰かになりたかった。

そしてその「なりたかった」は、決してポジティブな理由ではない。

 

 

タイトルに書いたように「なりたい」に見せかけた「ならなきゃ」だったんじゃないかな、と思うのです。「have to」じゃなくて「want to」。もちろん当時から「ならなきゃ」っていう自覚があったわけではなくて、その時には本当に誰かになりたくて、だから今でも、自分じゃない誰かに「なりたかった」からだと、当時のことを表現する場合がほとんどなのだけれど。それは、他に自己表現の手段がない、自分のままではうまく外に表現ができない、後には引けない、自分を捨てたい。そんな焦燥感や逃げから生まれる、切実な「なりたい」だったような気がするのです。だから、役者になりたいとか、大きな舞台に立ちたいとか、そんな思いは本当はなくて。むしろ「そう思わなきゃいけない」と思っていたのかもしれない。野球部入るからには甲子園目指すって言っておいた方が良いかな、みたいな。そんな感じ。口ではたまに「役者したい」とか言ってたこともあったかもしれないけれど、そうなった自分とか、それに向けて行動する自分とかは、考えてみてもあまりイメージが湧かなかった。動機が動機だったから、余計にね。

 

 

だけどそれが、少しずつ変わっていった。

 

 

本当に根っこからガラっと変わったのは、実はここ2~3年の話かもしれません。でもその2~3年の出来事だけで急に変わったわけではなくて。これまでの積み重ねによる変化が、やっと表に出てきたのがここ2~3年なんだなって感じ。

 

 

私は今、心から、誰かに「なりたい」と思っている。

「have to」ではなく「want to」で。別に、今の私で良い。そこに何の不足も、問題もない。ただただ、誰かになるということが、素直に心から「楽しい」と思える。

 

 

やっと、スタートライン。遅すぎるスタートライン。だけどそこに立てたことが、とっても嬉しい。色んな人との出会い、奇跡が重なって、ここに今立てているんだなって。

 

 

どこ目線とか、何を目指すかとか、目的によって違うと思うんですけど。私は、お芝居って結局「自分」なんだなって、思うんです。あ、経験したことじゃないとできないとか、自己主張するとか、そういう類の話ではなくってですよ?自分が嫌いで他人になりたいと思っても、それって絶対どこかで綻びが出る。だってどこまでいっても、どんなに努力を重ねて技術を学んで場数を踏んでも、自分が自分である、という事実が変わることはない。自分を役で塗り固めても、自分は自分でしかない。そこは変わらない。本質的に誰かになる、なんてことは絶対にあり得ない。それを認めたうえで、誰かに「なってみる」「なろうとする」ことが、芝居の面白さだなって私は思います。

 

 

まあこれが「人に良いものを見せる」とか「芝居で身を立てる」とかになると、だいぶ観点が変わってくるでしょうけどね。「芝居をすること」と「芝居で何かを成し遂げること」では全然意味合いが違うので。「芝居で、嫌いな自分以外の誰かになること」が目的化すると、それは不可能なのでろくなことないよって話でした。

 

 

でも結構いそうな気がするんだよなぁ、そういう人。中学高校の弱小演劇部とかって結構そういう雰囲気の人多そう…。ごめんね、これは偏見かもだけど。思春期に「他人になる行為」って、自分が嫌いな人には魅力的に映りやすいのかなって。まあ自分も含めて、なんだけどね。

 

 

まあそんなこんなで、今が私は一番楽しい。変わるきっかけになった劇団のこと、いろんな出会いのこと、とか、もうちょっと書きたいことあったんだけどね。長くなりそうなので、また今度。

 

 

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